ハラスメント相談を受けたときの正しい対応手順

ハラスメント相談を受けた際には、相談者の安心感と信頼を得ながら、適切かつ公正に対応することが重要です。以下に一般的な正しい対応手順をまとめます。

ハラスメント相談対応の基本手順

1.迅速に対応する

  • 相談があったらできる限り早く面談の場を設ける。
  • 対応が遅れることで、相談者の不安や被害が拡大する可能性があります。

2.プライバシーを確保する

  • 面談はプライバシーの保たれた場所で行う。
  • 相談内容は必要最小限の関係者以外に漏らさない。

3.丁寧に話を聴く

  • 中立的な態度で、相手の話をさえぎらず傾聴する。
  • メモは取りつつも、無断録音やビデオ撮影は避ける。
  • 否定せず、共感を示しながら「あなたの気持ちを大切にします」という姿勢を示す。

4.事実確認の範囲を明確にする

  • 相談者の了解を得て、事実確認が必要かどうかを説明する。
  • 相談者が望まない場合、無理に調査を進めないように配慮。

5.必要に応じて調査を行う

  • 公平・中立な立場で加害者側の話も確認する。
  • 証拠(メール、録音、目撃者など)があるかどうか確認する。

6.対応策を検討・実施する

  • 必要に応じて、加害者への指導や配置転換、被害者の職場環境の改善などを行う。
  • 再発防止策もあわせて検討。

7.相談者への報告とフォローアップ

  • 調査や対応の結果を報告(ただし守秘義務は尊重)。
  • 相談者の気持ちや職場での状況を継続的に確認する。

8.記録の保管

  • 対応の過程と結果を記録し、適切に保管(個人情報の取扱いに注意)。

注意点

相談者の意志を尊重:被害者の意思に反して一方的な対応を取らない。
中立性の保持:一方に偏らないよう、冷静で公平な対応を心がける。
再発防止に向けた教育:相談対応後も、職場全体の研修や啓発活動を継続する。